先が見えない。
どうしたらいいのか、わからない。
どうしたらいいのか、わからないのだけれど、このままじっとしているのも耐えられない。
ああもうどうにかなってしまいそう!!

という、いわゆる八方塞がりの状態。
これは焦燥感、絶望感、閉塞感を伴う、とても辛いものだと思います。

人は何故しばしば「八方塞がり」の状態になってしまうのか?
それは「自分で自分を騙すこと」に「成功している」からなのです。

例えば、親に厳しく叱られている子どもがいたとしましょう。その厳しさは大声で怒鳴ったり、体罰を伴うような、度を超えたものであったとします。
(叱り方が常識の範囲でも、子どもの捉え方によって「度を超えたもの」になってしまう場合もあります。このあたりは親と子の性格の相性もあると思います。)

その子どもにとって、大好きな親に叱られることはとても辛いことでした。何故なら叱られる度に「自分は親に愛されていない」と感じてしまっていたからです。
子どもの心は純粋で無防備なため、この状況を「耐えられない」と感じます。
そこで子どもは自分の心を守るために「自分で自分を騙し」始めます。

辛い記憶そのものを消し去り「なかったこと」にしたり、
「そもそも自分は親が好きではない。」ということにしたり、
騙し方は様々です。

こうすることで「辛い。痛い。悲しい。」をダイレクトに感じなくてすむようになりますので、本来「耐えられない」状況下でも、どうにか生きていくことができるようになります。

「自分で自分を騙す」は、生きるために必要不可欠な「工夫」だったのです!

ですが、いつまでも騙し続けられるものではありません。
大人になるにつれて、「ん?なんかおかしいな。」と自分についた嘘に気がついてしまうこともあると思います。
ここで「ああ、自分はあの時本当はとても辛かったんだなあ‥」とその感情に向き合ってあげることができればいいのですが、
たいていの場合、そんな辛い感情記憶の玉手箱をあけるのはイヤなので、
「ん?なんかおかしいな。」と気がつく瞬間がこないための工夫をします。

自分についた嘘を自分が見破らないように、
自分についた嘘を盤石にするために、
嘘にさらに嘘をかさね、自分で自分をどんどん騙していきます。

自分のおかれた状況を「わかりにくく」「曖昧に」とどめておくための様々な選択を無意識にするようになるのです。

自分で自分を騙し続け、嘘に嘘を重ねていけば、自分の本音がわからなくなります。
自分は本当は何を感じていて、どうしたいのか?
それがわからないので、判断を下すことが難しくなります。
そのような心の在り方でいると、それを反映した現実の状況も膠着したものになっていきます。

こうして、八方塞がり、いっちょあがり!!となるわけです。

「八方塞がり」の時は「何もかもうまくいかない!!」と思ってしまいがちですが、実は「自分を騙すことに成功しまくっている」状態だったのです。

では、八方塞がりから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?
次の記事で書こうと思います♪